木のはなし 人もそれぞれ木もそれぞれ・・・

スギ 「杉・椙」 Japanese ceder 常緑針葉樹。 

杉
「杉」と聞くと、読者の中には「杉は全部切ってしまえ!」と言う方もいらっしゃるでしょう。本当に辛いですよね、杉の花粉。
実は私も、25歳位から「杉花粉症」です。その時期は、大変辛いです。花粉症は、国民病と言って良いほど、とても深刻な問題です。
しかし、この病については、大気汚染、食生活、化学物質など、他に問題があるとも言われています。
杉は大昔より本州、四国、九州に分布する日本を代表する木です。古代の住居からも、杉を使用した跡が見つかっています。と言う事は、「杉が悪いんじゃない!きっとほかに原因がある!」昔から身の回りに使用されていた杉が、人の体に害を及ぼすと考える方が、間違っていますよね。

話がそれましたので、元に戻しましょう。杉は軽くてねばりがあり、上からの力に対して、非常に強いという特質を持っています。現在の住宅では、構造用の柱などに使うのが、一般的。構造に使用される木材は、軽くて丈夫な事が重要です。戦争中は飛行機も木で作っていました。現在は、ジュラルミンなどありますが、戦時中までは、ジュラルミンに変わる物、軽くて、丈夫な材は木だったんですね。
屋久杉
もちろん内装材にも多く使われています。最近、よく見るのは、30mm程度の厚めの杉のフローリング。桐と同じようにやわらかいのが欠点ですが、それは、やはり長所でもあります。歩いた感触も良く、冬でも暖かく、調湿効果がかなりあります。最近では、杉のフローリングの表面に熱を加え、ローラーをかけて表面を丈夫にした物もあります。また、価格も節のあるものは比較的安価な物です。これほど、良い建材がなぜ日本では、使われないのか。それは、日本的な几帳面さで、節が無く、ちゃんと色や目が揃っていないと気がすまない施工業者、消費者が多く、また、この様な事がクレームになると、簡単には直しようがないからです。
杉板
杉のテーブル
そのため、無垢材のフローリングは、クオリティーが非常に高い物が要求され、びっくりするぐらい、価格が高い物になってしまいます。外国では、当たり前に使用されるフローリングでも、日本の基準では、クレームになってしまいます。もちろん、段差があったり、割れ等の物は、使えませんが、「節があってもいい、色が揃っていなくても、木のぬくもりと、恩恵を受けたい」と思われる方が増えれば、日本の杉の需要も増えるでしょう。また、鉄・合板などは、製品になるまでに、多くの二酸化炭素を排出しますが、木材は、製品が出来るまでのエネルギー消費量が少ないのです。地域に優しく、更に耐久性もある地元の杉を使うことが、地球温暖化の抑制にもなるでしょう。自然との共存。これは、これからを生きる私たちに与えられた課題の一つではないでしょうか。