木のはなし
桐の話

今回は、桐!
普通、桐というと桐箪笥→高級品→すごく高い!
というイメージがありますが、最近では、住宅の建物にも使われていて、実は、とても面白い特徴を持った建材です。
桐。ゴマノハグサ科キリ属の落葉広葉樹。「木」と「同じ」と書いて「桐」。名前の通り、桐は一般の木材とは、少し違う扱いになります。他の木には無い草と同じ独立気泡体(一個一個が膜で仕切られた細胞)を持っているという事が、建材としての大きな長所となっています。

桐の原産は中国で、日本には、何と飛鳥時代に渡来して植栽され、その後、日本全国で植栽される様になったそうです。この辺では、なじみが少ないですが、岩手県の南部桐福島の会津桐、広島の備後桐などが有名です。しかし、今では国内産は少なく主に、中国・台湾・アメリカ・ブラジル・パラグアイ等から輸入されています。 ■桐の特徴木材の中で最も軽く、柔らかいので、傷がつきやすいのが欠点といえますが、復元力が高いので、傷部分に水をつけ、5〜10秒ほどドライアイロンをかけると直せてしまいます。ですから、この特徴は、たいへん優れた長所となりうるのです。桐は、湿度通過や狂いが少なく、何といっても、熱伝導率が極めて少ないので、フローリングに適した建材です。冬場でも暖かく、床暖房無しでも床は冷たくありませんし、湿度調節をしてくれるので、梅雨でもサラサラしています。さらに、フローリングとして使用すれば、柔らかく、クッション性があるという性質は、滑りにくい、ころんでも怪我をしにくい、足腰への負担が少ないなどの利点となり、吸音性もあるので、落ち着いた室内となります。これらの理由から桐は、個人宅に限らず、子どもたちが集まる各種施設や高齢者施設などにも使われているのです。 最近は、アトピーの子どもたちが増えてきました。その原因は、ハウスダスト、ダニ、カビ、科学物質など多岐にわたるので、環境に敏感な子どもたちが安心して過ごせる場所が、切に望まれています。その場所は、もちろん、健康な人にとっても、快適な場所に違いありません。桐は、じゅうたんやカーッペットがいらないので、ダニの心配がありません。結露も少ないので、カビの心配もありません。安全、安心さえも兼ね備えているのです。 ■桐についてのエピソード

昔、会津の農家では、女の子が産まれると桐の苗木を2本植えたそうです。そして、その子が成人してお嫁入りする時に、その桐で箪笥、長持を作り嫁がせたそうです。桐の生長は早く、15〜20年で成木になるので、このような、風習があったのしょう。「桐」という建材。箪笥だけでは、もったいない。夏はさらさら、冬はポカポカの桐を、皆さんの生活空間にも取り入れてみては、いかがでしょうか。
■朝日新聞掲載記事「桐フローリング広がる利用法」より知人の建築家に勧められて、マンションの床に桐フローリングを張った個人宅の話です。小さなお子様がいらっしゃるご家庭ですが、投げたおもちゃのキズも、アイロンでほとんど戻るので、キズは気にならないとのことです。子どもたちも床にころがって気持ちよく遊んでいます。梅雨時もべたつきがなく、さらっと快適。夏でも靴下を履くほど冷え性の奥様も、12 月初めまで素足で過ごせたそうです。元来、高級和服や毛皮などを保管するタンスに使われる桐材ですから、頷けますね。






