木のはなし
木のキズ

床はムク材がいい、でも、傷がつくのが嫌だと思っている人は多いようです。
♪『 柱の傷は、おととしの〜五月五日の背比べ〜 』
という歌詞、歌える方も多いと思います。
私も小さい頃、家の柱に姉と従兄弟と背比べをして、柱にキズをつけていました。今見ると、「こんなに小さかったね〜」と懐かしく思います。
この柱は、じっとここで、私と一緒に年月を過ごしてきたと思うと、愛おしくも感じます。
住まいには、長年積み重ねてきた思い出が、たくさん刻み込まれています。ちなみに、従兄はどんどん背が高くなり、185cmを越える長身になったので、毎年、親戚一同集まるとさせられていた背比べは、嫌だったという記憶も刻み込まれていますが…。
残念な事に、最近では、柱が見えている家がなくなってしまいましたね。

さて、今回は、キズについて、です。床は、ムク材がいい、でも傷がつくのが嫌だと思っている人は多いようです。合板のフロアーは表面を強化する塗装をしている物が多く、ムク材より傷つきにくい物も多数あります。これは、樹脂系の被膜を作るウレタン塗装というもので、表面は硬くなり、当然湿度も調整しません。製品によって違いますが、あまり手入れしなくても、7年〜15年位は、ワックスをかけなくても、大丈夫な物もあります。しかし、一度傷が入ると、元に戻る事はなく、表面が剥がれてしまう事もあります。表面が剥がれてしまうと、もうどうしようもありません。ムクのフローリングであれば、水分を含ませてやれば、ある程度戻りますし、再び表面にサンダーをかけ、ワックスを塗れば、新品同様になります。先日、以前、古賀に家を建てられたお客様の家に、遊びに伺ったときの話。その方の家の床は、すべて35mm厚の杉の床でした。すごく雰囲気の良い家なのですが、改めて床を見ると、傷つき放題、暖炉の前の床は、木がすいてしまっていて.....。

でも、それが気になる事は、一切無いとの事でした。「傷も模様のうち、逆に、何もすき間のないウレタンのかかった合板の床の方が気になる」と言われていました。ムク材の余りある魅力を感じていらっしゃるのでしょう。家は、高価な買い物ですが、飾り物ではなく、使っていく物です。柱を1本見せて、家族の思い出を刻んでみられては…。






