木のはなし 人もそれぞれ木もそれぞれ・・・
杉は誤解されている!

九州では、大分の津江杉やいんたろう杉、宮崎の飫肥(おび)杉などが有名ですが、同じく杉の産地の宮崎県日向市では、「木の文化のまちづくり」をテーマに、自分達の街は自分達で創ろうと、地元の杉を使ってベンチ・手すり・車止め・街灯等を造る取り組みが行われています。
私達の地元福岡では、耳納杉が有名です。筑後川に沿った耳納連山で育った杉をいうのですが、年輪が細かく、強度と粘りがあるのが特徴の良質なものです。

さて、皆さんは、「杉」と言うとどんな印象をお持ちですか?昔から、社寺、仏閣建築には桧や欅を多く使用してきたので、どうしても杉は、「コストを押える=杉材」として安い木材、価値の低い木材という印象を持たれてきました。しかし、決して「杉材=悪い材」ではありません。等級によっては、一般的に高いとされる桧より高級なものもあります。杉は、真っ直ぐにのび、粘りが強く、軽くて強い。さらに、杢目も美しく、香りが良いという特徴を持っています。また、シロアリにも強く、50年経っても他の材と比べて変化の少ない木材だと言う事もわかってきました。実は、杉は住宅の構造材(柱)として最も適した材なのです。木には、風土への適応能力が備わっています。例えば、屋久杉は、油分が多く腐りにくいと言います。それは、日本一雨の多い場所で生きていかなければならなかったからでしょう。これが「地元の木で作ると家は長持ちする」といわれる所以です。日本の木は、日本の風土に適しているのです。杉は、国の戦後復興の事業として日本中に植材されましたが、安い外国産の木材に押され、日本の林業は衰退してしまいました。その為に森林は放置され、現在、大変な危機に陥っている事は、皆の知るところです。

杉の人工林は、先人の方々が一所懸命に手を尽くした、大切な木材資源です。私達は、日本の森林を守る為にも、適材適所に賢く利用していかなければいけないと考えています。






